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プロフィール
HN:
庵田
性別:
男性
職業:
無給NPO理事
趣味:
都市散策、調査研究、写真撮影、マンガ熟読
自己紹介:
高学歴ワーキングプア。生活の糧をどうすべきか毎日模索中。
共著でいくら本を増やしても、それは研究者としての実績にならないそうです。数年前から同じ事言ってますが、雇ってくれるところをただ探すのみです、はい。
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『北九州の近代化遺産』&『福岡の近代化遺産』編纂事務局がお贈りする、出版散々回顧録・出版社非公認ブログです。とりあえず、今後の出版企画情報を逐次報告します。
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気になったニュースを拝見したので、本日はこれに合わせる形で少し意見をつづってみようと思います。
今出版企画以前から、私の場合はWebを通じて近代化遺産の紹介を行っており、また以前は北九州の地域に関連したコンテンツを更新することで、言うならば、「自分自身」の売り込みを行ってきました。
出版企画とは異なり、自分自身については会っていただかない限りその真価を分かっていただくことは、ございません。これを評価してくださった方にかつて共同研究を依頼されたこともありましたし、かえって「そんな価値は要らない」と面接で不採用の返事も頂いたことがあります。
そんな複雑な経緯をたどったため、地域関連のコンテンツに関しては、無料で情報提供を行う必要がない(その労力は無駄)という結果となり、現在は近代化遺産の情報更新に集中しております。色々なわだかまりがなくなれば、地域関連のコンテンツも更新できるでしょう。いつになるかは分かりません。
、、、無駄愚痴が過ぎました。今回の出版企画に関して、Webにてその掲載内容について情報提供を行うこと自体は、その本の内容をそのまま書くことには当たらないため、直接の損害には当たらない(むしろ宣伝に当たるため、プラスの部分が多い)でしょう。
ただ、個人ページコンテンツの「近代化産業遺産総合リスト」についてはどうなのか、正直複雑です。
参考になるという声や地域の資源を改めて気づかされたといううれしいコメントを頂く一方、種々お叱りの声を頂いたり、詳しい番地が欲しいとか、地図が欲しいとか、挙げ句の果てには論文で使いたいから写真の原板を貸してくれ等、ボランティアの枠を外れた「お願い」を聞くことがあります。
当該コンテンツについては、ひとつは自分自身の備忘録として掲載しているところ、また地域の魅力を知って貰いたい、ひいては近代化遺産の保存と活用に関して力になりたいという思いで作成しています。解説については少ない字数で述べているため、誤解を招くこともあり、これについては逐次修正を行っています。またデータについては自分が知り得る限りで正確なものを使用しているつもり(データが間違っていたら当然すぐ差し替えています)です。
これらコンテンツ作成の繁雑な作業は、結果的には公共の利益になることにも繋がるのですが、自分としては自分自身の信用を高めるために行っている側面も多々あります。「これだけのページにこれだけの情報を入れることが出来る人物であれば、近代化遺産について詳しいに違いない」と地域で権限を持つ方々に言わせられたら、金も権限もない私にとっては大きなプラスとなるわけです(まあ、概してそういった機会はありませんが)。
ただ、行政関連の知り合い(浅い知り合いが多いのですが)の中には、時たま逆の考えを持っている方もいます。「これだけのページをただで作成しているのだから、きっと余裕のある人だ。だからちょっと無料ボランティアして貰ってもいいだろう」こんな意志が見えてしまうと、頭を抱えてしまいます。
無料の情報提供には、常にリスクが伴います。評価を受ける反面、自分が持つ情報の価値を下落させかねません。こういったブログというのが一番怖くて、文章はおろか、写真や考え方までそっくりそのまま持って行かれてしまいます。たまにサイト内コンテンツも同様にやられてしまうことが多く(そういった方々は引用元なんて絶対に書きません、、、そういう考え方がないんです)、近代化遺産研究に真剣になっている人間が馬鹿を見てしまうオチが待っています。
だからといって全く情報発信をしなければ、それは「いない」ことと一緒になるわけで、これもなかなか出来ません。対面だけで信用を積んでいけば、それはそれで幸せなのですが、今のご時世、それで生活(自営業的に)が成り立つ訳がございません。サラリーマンでない人間の辛いところです。(つづく)
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P5145280-m.JPGこの建物の一番感銘すべき所は、明治中期・明治末・大正・昭和初期という、北九州の近代初期から後期までに造られた建物がひとつの番地内にあることだと思います。今回はその最初期に作られた邸宅、通称「大座敷」を紹介します。
この建物、もともとは若松の船頭町というところにあった建物を戸畑に移設したものと言われています。船頭町、と言ってもピント来ませんが、だいたい現在のわかちく史料館から恵比寿神社あたりの通りに相当するようです。若松半島の突端に位置していたようですが、、、そんなところに大きな建物が建てられたのか、と思うくらい、大きな面積がとりづらいところです。だからこそ、戸畑に移転したのでは、と考えることが妥当なのですが。
安川敬一郎は明治末期の安川・松本家の総合移転に際して、若松にあった建物を一部新居内に組み込みました。これが上写真にあるような大座敷として現存しています。
P5145352-m.JPGさて、新居に大座敷を組み込んだ、という話をいたしました。その新居(一次本邸と呼称されています)は残っているのか、と言われれば、残念ながら昭和13年の第二次本邸(玄関部分のみが現存)建設の際に失われています。しかし、同時期に建てられた蔵が2棟現存しています。それが下写真なのですが、、、分かりづらいですか、私もそう思います(困)。立派な渡り廊下と草叢が蔵の全体像を撮りづらくしています。困りものです。
特に北の蔵は煉瓦造石張りとかなり贅沢な造りをしており、これだけでもかなり建築好きを唸らせる造りをしています。今まで紹介した各年代の建築群と合わせ、うまく整備された上(現段階では整備されない限り一般公開は難しい状況です)での早い時期の公開が待たれます。

P5145366-m.JPG一回目には玄関部分に相当する、昭和13年竣工のモダニズム建築について紹介いたしました。次に紹介する写真は大正15年に作られた安川敬一郎の隠居用につくられた建物です。
この建物の完成に先立つ大正7年に安川敬一郎は経済界を引退しますが、その際わざわざ引退式まで設けるほどの、殊北九州においては影響力の強かった人物で、たとえ隠居したとはいえ、それなりの建物の形を必要としていたようです。
、、、いや、写真を見る限りは、普通の立派な家一棟分は優にあろうかという造りをしています。本宅(安川清三郎→安川寛)とは当然建物を接続させてはいますが、玄関・勝手口は別に設けられ、そのたたずまいも松本邸の大正期解釈版といった造りをしており、これはこれでなかなか面白いものと言えます。
P5145248-m.JPG建物の内装ですが、一言で言うと、豪華です。調度品のほとんどは終戦時に失われたように思えますが、それでも、階段室二階部分に設けられたベンチなど、隠居の家にふさわしい配慮も付け加えられており、人に優しい建物なのかな(階段は急ですが)、と思わせるデザインも見られます。
当時の建物にしては珍しく、漆喰細工と言ったものがほとんどないのですが、その代わり全時代の建物に渡って木材の使用が目立ちます。これも安川家の方針だったのでしょうか。それぞれの時代に造られた建物が、木材という素材によって喧嘩することなく併存している、実に不思議な空間を作り出しています。
ただ、建物同士の脈絡が薄いため、最初に訪れたときはどうしても迷ってしまいます。すべての建物を同時に計画して造っているわけではないので、これは仕方ないことなのでしょう。

P5145180-m.JPG今回の新書版では、今までの二冊の書籍で採りあげなかった遺産についても光を当て、北九州については料亭・和建築・医院建築などにも踏み込んだ形で紹介しています。
その中でも重要文化財クラスの作品を惜しまず紹介いたします(近代化産業遺産総合リストには既に掲載してはいるのですが、、、)。
安川定住宅は既に重要文化財に指定されている松本家住宅(現・西日本工業倶楽部)の隣にある建物で、これまで明治鉱業を興し筑豊三大炭鉱主と呼ばれていた安川家がそのまま保有していました。
昨年より安川家が安川電機に建物を譲渡、現在のところ一般公開に向け、改装が行われているところです。
こちらの建物の面白いところは、明治30年代の和建築と大正末期の洋館、そして写真にあるような昭和初期のモダニズム建築とが併存していることでしょう。玄関車寄部分のむくり屋根を見るだけで、ここは何かありそうだとピンと来る方も少なくないかと思います。
こちらの紹介は1回分ではとうてい済まないので、3回程度に分けて建物の魅力を(出版内容にかぶらない程度に)紹介したいと思います。
罰の当たり具合で言うと、未だに研究職として安定していないことが一番罰当たっていると言うべきですが、、、ま、それはそれとして。
近刊の書籍自体を見ていただければ分かると思いますが、一人だけ執筆項目が異常に多いことがよく分かる状態になっています。それが私です。
共著部分含め全100項目のうち33項目執筆、地図編集、さらに写真などの打ち合わせは、、、ええっと何回やりましたっけ? とにかくやたらめったら手間が掛かりました。よく福岡で打ち合わせを行いましたが、それについても特段交通費が出るわけでなし、これでなにがしかの名前が売れるわけでもなし(『北九州の~』・『福岡の~』以上に名が売れることはないでしょう、、、)。
今回は、一番の地域貢献的書籍です。意地です。絶望的ボランティアです(困笑)。
ここまで読んだ方、「印税たんまり貰うんだろ」とか、考えているかと思います。
実は、、、なんと、今回、印税すらありません!!(弦書房関連書籍の今までの印税も私の手元には一切入っておりませんが)
ここまで来ると清々しさすら感じてしまいます。印税がない分、書籍の値段は若干安くなったと考えてください。いや本当ですから。
今回、より多くの人々の手に渡っていただけることが一番の喜びです。といいますか、それしか喜ぶところがありません、、、。
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