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HN:
庵田
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男性
職業:
無給NPO理事
趣味:
都市散策、調査研究、写真撮影、マンガ熟読
自己紹介:
高学歴ワーキングプア。生活の糧をどうすべきか毎日模索中。
共著でいくら本を増やしても、それは研究者としての実績にならないそうです。数年前から同じ事言ってますが、雇ってくれるところをただ探すのみです、はい。
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『北九州の近代化遺産』&『福岡の近代化遺産』編纂事務局がお贈りする、出版散々回顧録・出版社非公認ブログです。とりあえず、今後の出版企画情報を逐次報告します。
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ちょうど私が博士論文を書き上げ、諸手続があらかた終わった頃(3月くらい?)でしょうか。
「本のポケット版を作ろう」という機運が巻き起こりました。それまで「近代化遺産の見方・調べ方」的な趣旨の本作製を考えていた北九州地域史研究会では、少しずつ研究会を行っていたのですが、半ば衝動的にポケット版執筆へと体制をシフトさせたのです。
この一番の原因が、世界遺産登録に向けた支援活動であったことは言うまでもありません。しかしながら、当初から完成目標を8月頃としていたため、非常にタイトなスケジュールになってしまいました。
今から調べてみると、3月28日の北九州地域史研究会会合でポケット版作成に関する話があったようです。
執筆期間はここから約2ヶ月間。このため、概ねは『筑豊の近代化遺産』及び『北九州の近代化遺産』と重複せざるを得ない部分があったのですが、それだけでは本としての魅力に乏しいものとなってしまいます。
当然新要素は加えなければなりません。筑豊へは直接依頼などは出来ないものの、こちらからいくつか新規執筆項目の要望を出すことで対応し、また北九州では前回採りあげられなかったものを一挙掲載することになりました。
いくつかは研究会内で新しく執筆していただける方を募り、それ以外は編集で対応と相成ります。
また、私の執筆項目がひたすら増えるという、いつもの構図が浮き彫りとなりました、、、。
(つづく)
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今回の出版企画、私にとっては6冊目の共著となるわけですが、きっかけというものが若干曖昧(今となってはという意味で)な気がいたします。
今メール往来などを確認すると、最初に話が挙がったのは今年2009年に入ってからの話です。amazonでのレビューに書かれていたポケット版への要望と、世界遺産登録への民間サイドの支援目的、遺産のさらなる掘り起こし作業や筑豊の遺産紹介リベンジ(これは私の都合)など色々な思いが交錯し、同床異夢のプロジェクトがスタートした、と言うべきでしょう。
多少意見がぶつかった方がよい本が出来る、と言う言葉の通り、になればよいのですが、こればっかりは第三者的なご意見を伺ってこその話になるのでしょう。今のところは何とも言いようがありません。
本が書店に届く日も近づいてきています。ここからは出版に関わる悲惨なエピソードをいくつか紹介しようと思います。
先日東京で行われた、「九州・山口の近代化産業遺産群」世界遺産シンポジウムの報道内容について、今更ながら確認いたします。
今回、時間の都合各遺産の選定結果などの反映が著しい地方新聞を中心に記事内容を紹介し、私見を述べてみたいと思います。

http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/129978
(西日本新聞:九州・山口の近代化産業遺産群 炭鉱遺産 候補から外れる 落胆も、継承に決意)
こちらの記事については、筑豊炭田の遺産群が選考対象から外されたことに対する関係者の見解が述べられています。
筑豊炭田については、専門家委員によって80箇所の遺産が見学されたとのこと。ここで問題になったのは、三井三池炭鉱と比較して炭鉱施設が面状に遺されていないことにありました。炭鉱住宅群についても、松原炭鉱の残滓(かつての並びと比較するとこの表現にならざるを得ません)のみの紹介で、しかもこれについては取り壊されることが前提となっており、評価が出来なかったようです。
その活動が熱心であっただけに、今後の保存活動に影響が及ばないことを祈らざるを得ません。もう少し踏み込んだ意見について以前述べたので、ここでは避けたいと思います。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn200910230110.html
(中国新聞:世界遺産候補の産業群選定)
こちらでは、ブロック紙の強みを生かし山口県での世界遺産暫定リスト選定状況について記載しています。
萩では大板山たたら製鉄遺跡、萩城下町の2件が、そして下関市では六連島灯台が新たに加わる一方、松下村塾については要検討という課題が付けられた格好となります。個人的には関門海峡の条約灯台として、同年竣工の部埼灯台を含め登録候補として貰いたかった思いがあります。

http://www.373news.com/modules/pickup/index.php?storyid=20060
(南日本新聞:九州・山口の近代化遺産群 旧集成館など28件構成遺産に提言)
こちらは鹿児島地域のブロック紙と言うこともあり、今回の世界遺産登録作業について最もよく分かっているという印象を受けました。何が登録候補となり、何が外れるかと言うよりも、どういった基準でどのようなストーリーであることを前段階で述べているところが素晴らしいです。
構成地域について「1850~1910年の鉄鋼、造船、炭坑の包括的な遺産群」と地方紙では唯一(ネット限定)紹介し、県内分では新波止砲台が周辺の環境が変化されすぎたことから外されたことを述べています。

http://www.saga-s.co.jp/news/saga.0.1454283.article.html
佐賀新聞:三重津海軍所跡、世界遺産推薦候補に 旧高取邸は外れる
旧高取邸に関しては、残念、と言うより唐津炭田の他の遺産を含めた形で登録を目指すべきであったと思えてなりません。北波多や杵島などの炭鉱施設(保存状況は筑豊と似たり寄ったりですが、、、)そして日本の産業に貢献した唐津鐵工所の遺産群を含め、多久市・唐津市の共同提案という形でリトライを目指してみてはいかがでしょうか(もう遅いですか?)
旧三重津海軍所の追加については、そのきっかけ含め知っている部分も多いのでうれしい気持ちで一杯です。今回の世界遺産のサブテーマが日本造船業の物語であることがこちらの遺産登録でより明確になったと思います。
国内造船業が世界トップレベルに至るまで、燃料兼製造にかかるエネルギー源の確保と造船に適した鋼材生産の達成、そして長崎造船所に至るというシナリオが、そのスタート地点である三重津海軍所での蒸気船製造を入れないとどうにもならないことは明らかであり、その意味で今回の追加が世界遺産登録への完成型にかなり近づいたと言えます。

http://www.kahoku.co.jp/news/2009/10/20091023t35030.htm
(河北新報:世界産業遺産 釜石の国内最古洋式高炉 暫定リストへ)
http://www.kahoku.co.jp/news/2009/10/20091023t35012.htm
(河北新報:釜石、鉄の歴史再び光 橋野高炉跡産業遺産へ前進)
さて、、今回の世界遺産カテゴリー内で釜石を紹介することが、のどに引っかかって仕方ないのですが、プレ八幡製鐵所遺産として評価されたとのこと。遺跡としての保存状態については申し分なく、世界遺産クラスと言われても特に不満要素はないのですが、、、。
八幡製鐵所の補強という意味では、韮山反射炉(九州内では安心院反射炉跡も!!)も入れた方がよいと思うんですが、いかがでしょうか。
ポケット判に関連した情報以外でも、ここ半年間で色々追加情報があります。
まずは『肥薩線の近代化遺産』関連情報から。
JR九州が発行している「100年レイル肥薩線の旅」パンフレットの最新版(2009年版)では、参考文献として『肥薩線の近代化遺産』が採用されています。
パンフレット内容については一切記載されておりませんが、参考(?)サイトは下記の通り。パンフレットの入手については、最寄りのJR九州駅にお立ち寄りいただくのが一番でしょう。

http://www.jrkyushu.co.jp/tabi/sl_hitoyoshi/index.jsp
(SL人吉-100年レイル肥薩線の旅)

これに関連して、編集名義団体である「熊本産業遺産研究会」は、11月に「財団法人信友社」より信友社賞を
受賞するとのこと。この信友社とは「熊本の学術・文化・体育の振興」を趣旨とした活動を目的として設立された財団だそうです。その活動の一環として「学術文化の振興に寄与する団体もしくは個人に援助を行う」“信友社賞”の贈呈を行っているそうで、熊本産業遺産研究会の地道な活動が評価された結果と思います。
次は九州産業考古学会が何かの受賞を、、、出来ませんかねぇ?
前回に引き続きます。
前回申し上げたとおり、今回の出版企画は世界遺産登録に際しての民間支援の色合いが強くあります。でなければ、現存建造物物件のない目尾炭鉱はあまり入れたくないですし、碑文群は、、、だから、炭鉱閉山後に出来た慰霊碑は近代化遺産のカテゴリーに入れるべきではないです。復元建築も近代化遺産とは言えません。どうも前回の企画での齟齬もあったように、筑豊サイドとは、意見が合いませんねぇ。もっと紹介すべき中小炭鉱遺産や関連分野の第三次産業などの商店建築を入れたいのですが、、、くどいですね。申し訳ございません。
とまれ、世界遺産の支援目的があったものですから、慰霊碑などの掲載にも目を瞑りました。しかしながら、海外審査委員の考え方と私の意見が比較的合っていたのかも知れません。やはり近代化遺産と題するからには、建造物(戦後竣工の碑文は含まない)に限定すべきなのです。私が何かできたかも知れない、と考えると、残念で仕方ありません。が、その機会は与えられませんでした。
筑豊には、多くの炭鉱遺産がまだあります。それらは、かつての炭鉱閉山に関する悲しい記憶と、個人所有の遺産であるが故の掲載の困難さがあるが故に、今回またまたその多くが掲載されませんでした。しかし、そのことは炭鉱遺産がないことにはつながりません。
たとえ文化財担当が知らなくても、知っていて掲載したくなくても、旧日吉炭鉱施設群や三菱マテリアル所有の煉瓦造施設、北九州炭鉱の斜坑や旧貝島六太郎邸などは他地域に紹介すべき近代化遺産ですし、いずれ何らかの形でねばり強く紹介すべく努力したいです。しかしながら、今回紹介できるだけの根回しが出来ず、とにかく、出版を急いだこともあり、筑豊にはまたまた残念な思いを抱かずにはいられません。
いずれ、自分自身でリベンジが必要なのでしょう、、、ううむ、大変だ。
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