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プロフィール
HN:
庵田
性別:
男性
職業:
無給NPO理事
趣味:
都市散策、調査研究、写真撮影、マンガ熟読
自己紹介:
高学歴ワーキングプア。生活の糧をどうすべきか毎日模索中。
共著でいくら本を増やしても、それは研究者としての実績にならないそうです。数年前から同じ事言ってますが、雇ってくれるところをただ探すのみです、はい。
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『北九州の近代化遺産』&『福岡の近代化遺産』編纂事務局がお贈りする、出版散々回顧録・出版社非公認ブログです。とりあえず、今後の出版企画情報を逐次報告します。
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ho-sanui-s.JPG私が初めて直方の市街地を訪れたとき、一番驚愕した建物がこれです。そのスケール感、細部表現の細やかさ、そして先日内部を訪れたのですが、そこでまた保存状態のすばらしさにびっくりし通したのも記憶に新しいところです。

もし、今回の出版企画が北九州市内に完全に限定しなかったら、一番に掲載したかった建物です。いや、何か関連する施設が市内にあったら無理にでも掲載していました、、それだけ思い入れのある作品です。

市内にもおもしろい作品があまりにもたくさんありすぎるため、どうしても欲張ることができず、残念でなりません。まあ、仕方ないといえばそれまでなのですが、、、この建物の知名度を上げるために学会誌に掲載したり、ことあるごとに話題に挙げたりしたり。直方駅の保存問題に僅かながらに関わっているのは、この周辺の近代建築群の価値を高めるためです。あえて表立って話をしていませんが、周辺の住民の方々があまりにも建物の価値に気づかないので、もう、心配でなりません。

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kuyakusho-toba3-s.JPG今回の出版企画を振り返ってみると、あまり公共機関の施設を選択肢に挙げていないような気がいたします。その最たるものが区役所(旧市役所ですね)。
これは編集代表の清水先生が意図的に敬遠したのではないかと考えていますが、その場で私も選定作業をしていた(筈)なので、何とも言い難いものがあります。
ただ、掲載件数が50~70件程度でなおかつそれを存分に書くことの出来る執筆者を捜す必要があるものですから、掲載したくても途中で脱落してしまうものもあるわけでして、、、そんな中では、比較的優先順位が低かったものだと思います。
それでもなお私が「掲載したかったもの」としてこの作品を捉えているのは、掲載作品分野のバランスの問題です。
私の思う近代化遺産の対象カテゴリーは、この国の近代化に貢献したシステム・産業・デザインに関連したもの全てだと考えています。近代の地方自治体、それを形成づける組織機構の運営システムには西洋から輸入されたものが数多くあります。それに日本で独自に作られたものを組み込みながら、明文法に基づく近代社会を形成していったという点では、市役所もはっきりと近代化遺産に捉えるべきだと思うわけです。
まあ、そういった意味では一次リストの方にちゃんと掲載したので、問題ない、といわれればそうなのですが。
今回の話が学会上で一番揉めるところではありますが、一応触れておかないとそれはそれで問題でしょうから、一応私の見解を述べておきます。
今回の本のタイトルが、「北九州遺産」でも、「北九州の産業遺産」でもなくこのタイトルになったのには、いくつか理由があります。

まずは地域近代史の要諦を押さえたいという意志。
今回の執筆者、とりわけ編集代表の清水先生は地域近代史研究の第一人者です。先生はじめ、執筆者には産業考古学会所属の研究者が多いこと、また「近代」のもつ歴史の多様性に感慨とこだわりを持っている方々がこれまた(私含め)特に多い事が、このタイトルを選んだと言えます。
また、これは私の印象ですが、「産業遺産」というタイトルにしてしまうと、どうしても第二次産業に特化した内容と思われてしまう事を忌避したいと思ったからです。余暇施設でも金融機関でも、地域の産業を育み、近代の荒波を乗り越えた貴重な遺産です。これらを入れないことは考えられません。北九州のような重化学工業の発達した地域でもそれは当然のことと言えます。
最後にこの本が持つ、堅さと柔らかさを両面象徴していると思ったからです。
この本は、いわゆる専門書とはいえません。どちらかと言えば地域史入門書に近いと思います。ただし、専門家が読んでも問題ないレベルには仕上げてあります。「近代化遺産」という用語には、権威めいたものはまだ無く、だからといって観光ガイドのような軽さもありません。うん、これはちょうど良いなと思う次第です。

このタイトルに到るまで、実はいくつか候補はあったのですけど、、、これはまた次の機会に。
この建物に関しては個人的な感慨が強く、もう一回何らかの形で書くことがあるかもしれませんが、まずは掲載できなかったことについて。moji-ba23-s.JPG
2006年3月のことでしたか、この建物が壊されてマンションになるという話を受け、あわてて現地に向かいました。そうしたら、右写真の様な事態。
あー、あー、やっちまった、、、。
煉瓦が散らばっていますが、基本的な構造材は鉄筋コンクリートでラーメン構造(柱に加重を保たせる構造)になっています。それが確認できました、、、解体したから。
大正11年に佐伯組(現在の佐伯建設・大分)により造られた建物で、近年では北九州に現存する最古の銀行建築と言われていました。その真偽はともかくとして、一時は日本銀行の仮支店としても使用されていた建物であり、これが小樽であれば金融資料館として活用できたであろう作品です。
直前まで掲載予定リストに入っていながら、惜しくも涙をのんだ、哀しい作品です。

・以上本文・

えっと、ここからは関係者向け業務連絡です。
昨日の今くらいの時間から、当ブログ管理人の庵田は韓国に学会出席の為、あと丸4日ほど電話等(Webは、通じる模様(ソウルより追加報告))に出ることが出来ません。
当ブログは予約更新が出来るため、以前に書いたもので「つなぐ」事が出来ますが、ほかは如何ともしがたいですね。
特に26日の件について、直接指示できず申し訳ございません。ちょうどその日に学会プレゼンをやる予定です。市の担当の方々にはくれぐれも宜しくお願いいたします(って、関係ない人には何の事やらさっぱり分かりませんな)。
さて、今回は完全に宣伝文です。
2005年5月段階での構成案が見つかりましたので、そちらを参照しながら実際の本の内容を紹介したいと思います。

>【構成】
>  1.北九州地域の産業経済史(概説)
これがこの本の売りになるのか、アキレス腱になるのか、、、
大学講義の様なパターンで北九州工業地帯の成立について概説しています。
巻頭に置くと「重い」ので、結果的には巻末に載せました。

>  2.地域別・近代化遺産
>   (1)建築・土木的価値 (設計者、建築工事)
>   (2)産業経済・文化的意義 住民生活との関わり
>   (3)建設時、盛時など関連文献・資料(新聞記事など)
>   (4)建設時、盛時、現状の写真
この部分に関しては、ほぼまんべんなく掲載できていると思います。
既存の本で紹介している物件は、特に2の部分を強調しないと面白くないですしね。
一部記事の出来が微妙だと思う方は、まあ、ご主旨が理解できなかったかと(笑)、、、
ってのは冗談です。まあ、たとえそうだったとしても事務局である程度修正したので、はい。

> 3.遺産リスト一覧(地図)、文献・資料目録、索引
地図の初校を先週やったばかりですが、、、(汗)
文献目録は危うく削除されそうになったのですが、代わりのものを犠牲にして(それが何かは発売後に明らかに、、)、なんとか残りました。
索引は、、、、ごめんなさい(土下座)。

>【担当】
> 九州産業考古学会北九州メンバーとCOSMOSを中心に、若干の専門家を加える。
> COSMOS;建築・土木的価値 産業部門別分野担当を基本とする。
> 遺産リストから、解説を要する主要なものを選出する。
一次リストの作成が(も?)私の担当だったのですが、ちょいと欲張ったりしたものですから、直前まで差し替えやったりと、まあ無意味に大変でした。
お手元に届いたときに別角度でお楽しみ頂ければ、、。
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