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庵田
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職業:
無給NPO理事
趣味:
都市散策、調査研究、写真撮影、マンガ熟読
自己紹介:
高学歴ワーキングプア。生活の糧をどうすべきか毎日模索中。
共著でいくら本を増やしても、それは研究者としての実績にならないそうです。数年前から同じ事言ってますが、雇ってくれるところをただ探すのみです、はい。
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『北九州の近代化遺産』&『福岡の近代化遺産』編纂事務局がお贈りする、出版散々回顧録・出版社非公認ブログです。とりあえず、今後の出版企画情報を逐次報告します。
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oosakashosen-s.JPG「ミナトの美貌」とも称された特徴的な建物です。日本近代に栄えた港町に行けばたいていこのような塔屋の付いた建物をみることができますが、当時の流行とも、自社艦船向けの灯台の役割を果たしていたとも考えられます。

角地にタワーを設ける形式を、日本人は潜在的に愛しているようです。銀座の和光、岩手銀行本店、若松の古河鉱業ビルetc.、、街の象徴足るべき威厳を持っていることもありますが、塔屋自体に親しみを持っていたことがその建物を今まで存続させていたことに大きく影響させていたのでしょう。

この塔屋もそれらの例に属されます。解体の危機を乗り越え、北九州市では初の国登録有形文化財となりました。現在はホールやギャラリーとして用いられています。全国的な知名度も上がりました。今後観光地として門司港が存続する限りは、遺され続ける建物ではないかと思います。

観光地として廃れてしまったら、、もうどうなるかは分かりませんよ?(笑)

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JRkokura-kamotsu-s.JPG工場は毎年10月14日の鉄道の日前後に公開され、一部の煉瓦工場を一般の方でも見学することが出来ますが、ここにわざわざ載せるからには、もう少し踏み込んだところを紹介したいと思い、今回は右の写真をお見せすることにしました。
ご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、日豊本線沿いにある煉瓦造の倉庫です。由来や見解については、本の中でお楽しみを(またこのパターンか!)。
この工場、煉瓦造の建物が3棟あり、ここにばかり注目が集まりがちですが、実は鉄筋コンクリート造の施設にも古いものが多く、今回は深く紹介することが出来なかったのですが、個人的にはここにもそろそろ脚光をあてたいところです。

さて、、、この工場に関してはもう一言お伝えしなければならないのですが、せっかくの煉瓦造の工場施設も早晩取り壊される可能性が非常に高いとの話です。今のところ表面化されてはいないのですが、ある日あっという間に壊される(保存運動の有無を言わさないところが、嫌なところですね、、、)ことがあるかもしれません。写真撮影、及び保存運動の準備はお早めに。
kawachi-entei-s.JPG本の中では「河内貯水池」として一括紹介されています。その中でも一番の迫力そして美観を兼ね備えているのが、この堰堤でしょう。
建造時は日本最大のダムとして建設されたものの、ご覧の通りコンクリート石張の造りが丁寧すぎたのか、あるいは会計検査院から「贅沢」と非公式にいわれた事が原因か(笑)。竣工時には他のダムに追い抜かれてしまいました。
詳しくは本の中で述べられていますが、この堰堤周辺は地域の憩いの場となるようにとの意図のもと、外観に細心の注意を払って丁寧に公園化が図られています。
亜字池の曝気装置は噴水として利用され(これは現在稼働していません、、)、堰堤をはじめとする施設群は地元の石材で飾られています。
現在でもこれら資源は、「河内五橋」を初めとして多くがこの地に保存されています。

この写真はうっかり逆光で撮ってしまった失敗作ですが、本の中では菅さんの新日鐵関連コレクションの中から珠玉の作品をご覧になれると思います。まあ、ここの写真くらいは絵になるので、見てやってくださいな。
moji-fa-beer-s.JPG北九州市が近代化遺産の保存活用を考えるようになったのは、門司港レトロ事業から、と言われていますが、実際はこの建物からだと考えて良いでしょう。
産業施設(しかも一番華がないと言われる工場施設)をコミュニティホールやレストラン・バーに活用する様は、ここが日本かと疑ってしまいたくなるくらいです。

スペックから申し上げると、
1.事務所棟(鉱滓煉瓦造・3階建)→展示施設
2.醸造棟(煉瓦造4階建・階段室は7階建)→一部飲食施設、ほぼ静態保存
3.組合棟(旧変電所・煉瓦造平屋建)→物販施設
4.倉庫棟(煉瓦造平屋建を2階建に改装)→交流施設・飲食施設
の4棟からなる施設群で、大正2年の竣工です。

デザイン性にも一見の価値がある施設です。あまりいろいろとここで書きつづっても、本物の雄弁さには及びません。ここは是非一度訪れて、壮大な煉瓦空間を楽しむなり、中でサッポロビールを呑んでみるなり(笑)、自分なりの遺産の楽しみ方を展開してみてはいかがでしょうか。
nttmoji-s.JPG分離派建築家の代表選手である山田守の初期作品で、建築筋にはかなり有名な建物です。
山田守と言えば、一般的には京都タワーや日本武道館という作品がありますが、これがなぜか学会的に評判が芳しくありません。概して親しみの持てる作品を多く作った建築家と言えるのでしょう。

門司港地区が持ついわゆる「レトロ」というイメージとは違う、と言う方もいらっしゃいます。たしかに確かに曲線やマリオンの使い方には、回顧主義を超えた普遍的なものを感じます。
それは山田守がもっていた西洋と日本との相克、あるいは様式主義からの解放にたいする回答のひとつではないかと思います。
この建物は、門司港の建物の中で、一番様式から離れたところにある近代化遺産であり、だからこそ、一番価値のある作品なのかもしれません。

中の写真も面白いですが、私はまだ2階以上の部分を見学したことがありません、、、一般非公開部分ですので、本の中で楽しめるかも。
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