『北九州の近代化遺産』&『福岡の近代化遺産』編纂事務局がお贈りする、出版散々回顧録・出版社非公認ブログです。とりあえず、今後の出版企画情報を逐次報告します。
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本日、経済産業省の企画による「近代化産業遺産シンポジウム」が、東京ビッグサイトで行われます。
私の知り合いでは、軍艦島を世界遺産にする会の坂本道徳さんがパネリストとして出演するとのこと。一応予約を取ってはいるのですが、反応がないんですよね、、、問題なければ私も参加したいと思います。
さて、このシンポジウムですが、実質は九州各地に遺る「近代化産業遺産」を首都圏に紹介し、世界遺産登録に向けて動き出そうというイベントです。ここに経済産業省が絡んでいるところが、この話の肝心な部分でして、先日あった閣議後の大臣記者会見でも概ね好意的なコメントが寄せられています。
この世界遺産登録の動きとは、九州山口地区に遺る各種の遺産を「アジア最初の産業革命を成し遂げた産業施設群」として一括登録しようというものです。
どのようなものが対象として挙げられているかというと、
・軍艦島(端島、長崎県)
・三井三池炭鉱(熊本県・福岡県)
・集成館機械工場(鹿児島県)
・八幡製鐵所(福岡県)
がよく採りあげられています。
この中で世界遺産登録に向けた動きが起こっているのは、ご存じ軍艦島と集成館。保存活用の動きが強いのは三井三池炭鉱です。
さて、今回の本にも数多くの項目を採りあげた「八幡製鐵所」は、かつて高炉の保存運動で大いに盛り上がったものの、保存された後、つまり現在のことですが、そこで市民の活用に向けた活動があるとも言えず、ただとにかくモニュメントとしての高炉、そして現役工場の製鐵所がある、といった状態です。
結果として世界遺産登録に向けた動き、といっても今は直接の受け皿がありません。
やる気だけはある私が九州伝承遺産ネットワークという組織に所属し、近代化遺産活用に向けた動きをとにかく自分の出来る範囲で盛り上げていこうとしていますが、なにしろ人手がない(だから、私以外の主力メンバーが少ないんだって!)。
今回の出版企画は地域のベースアップを図り、関門近代化遺産の世界遺産登録に向けて機運を作っていこうという意図もあります(事務局的に)。
さて、私の動きは無為と帰すかどうか。今後の動きを見定めに行こうと思います。
、、、国際シンポジウムから帰国して、数日しかたっていないのは、正直つらいんですけど、ね。
私の知り合いでは、軍艦島を世界遺産にする会の坂本道徳さんがパネリストとして出演するとのこと。一応予約を取ってはいるのですが、反応がないんですよね、、、問題なければ私も参加したいと思います。
さて、このシンポジウムですが、実質は九州各地に遺る「近代化産業遺産」を首都圏に紹介し、世界遺産登録に向けて動き出そうというイベントです。ここに経済産業省が絡んでいるところが、この話の肝心な部分でして、先日あった閣議後の大臣記者会見でも概ね好意的なコメントが寄せられています。
この世界遺産登録の動きとは、九州山口地区に遺る各種の遺産を「アジア最初の産業革命を成し遂げた産業施設群」として一括登録しようというものです。
どのようなものが対象として挙げられているかというと、
・軍艦島(端島、長崎県)
・三井三池炭鉱(熊本県・福岡県)
・集成館機械工場(鹿児島県)
・八幡製鐵所(福岡県)
がよく採りあげられています。
この中で世界遺産登録に向けた動きが起こっているのは、ご存じ軍艦島と集成館。保存活用の動きが強いのは三井三池炭鉱です。
さて、今回の本にも数多くの項目を採りあげた「八幡製鐵所」は、かつて高炉の保存運動で大いに盛り上がったものの、保存された後、つまり現在のことですが、そこで市民の活用に向けた活動があるとも言えず、ただとにかくモニュメントとしての高炉、そして現役工場の製鐵所がある、といった状態です。
結果として世界遺産登録に向けた動き、といっても今は直接の受け皿がありません。
やる気だけはある私が九州伝承遺産ネットワークという組織に所属し、近代化遺産活用に向けた動きをとにかく自分の出来る範囲で盛り上げていこうとしていますが、なにしろ人手がない(だから、私以外の主力メンバーが少ないんだって!)。
今回の出版企画は地域のベースアップを図り、関門近代化遺産の世界遺産登録に向けて機運を作っていこうという意図もあります(事務局的に)。
さて、私の動きは無為と帰すかどうか。今後の動きを見定めに行こうと思います。
、、、国際シンポジウムから帰国して、数日しかたっていないのは、正直つらいんですけど、ね。
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今回の会議、期日は2005年10月22日と早々決めていたのですが、当日になって大アクシデント発生!
編集代表の清水先生が急病のため欠席となってしまいました。これまでの会議は全て先生が出席、司会を務め私が議事録をとるという体制を取っていたのですが、先生がいないため、仕方なく私が司会をすることになりました、、、。
最年少の人間が司会やるのは、気が滅入るんですよね、、、。
とはいえ、今回初めて弦書房の担当の方がいらっしゃるということもあり、中止にするわけにも行かなかったのです。かくてスクランブル状態の中、提出された7本の原稿について議論を行うことになりました。
今回提出された原稿は以下のものでした。
・麻生ビル
・料亭金鍋
・門司郵便局電信課
・製鐵所本事務所
・製鐵所工場群
・安川電機
・大辻炭坑ホッパー
、、、またこんな時に限ってみんな気合い入れて来るんですよね、、、今回の参加者は弦書房の編集と併せて12人でした。
主役がいないときに物語は進む、ではありませんが、こういったときに限っていろいろと質問が出てきます。
・用語集といったものを別途設けるべきでは?
・どのような順番で書きつづればよいのか、現在の状態では漠然としすぎている。
・文末に名前を入れる形にするのか、それとも一人の人間が書いたかのような文体で整えるのか?
それは一度言ったでしょ? とか、では弦書房の方お願いしますとか(これを初めてあった人に言うのは、辛いです)。
原稿執筆の中で、これだけは大事に記述をお願いしたい、と考えているのは以下の3点です。
1.対象物件の造られた背景
2.現状、それに至る過程
3.対象物件の特長
一度言ったのに、守られていない方の多いこと、、、。
いま、この本の「他地域続編」を依頼されているわけですけれども、正直、不安以外の何者も見えてきません、、、。この時も、ある意味陰惨たる状況でした、、。既に輪転機が回っている今だから、語れますが。
編集代表の清水先生が急病のため欠席となってしまいました。これまでの会議は全て先生が出席、司会を務め私が議事録をとるという体制を取っていたのですが、先生がいないため、仕方なく私が司会をすることになりました、、、。
最年少の人間が司会やるのは、気が滅入るんですよね、、、。
とはいえ、今回初めて弦書房の担当の方がいらっしゃるということもあり、中止にするわけにも行かなかったのです。かくてスクランブル状態の中、提出された7本の原稿について議論を行うことになりました。
今回提出された原稿は以下のものでした。
・麻生ビル
・料亭金鍋
・門司郵便局電信課
・製鐵所本事務所
・製鐵所工場群
・安川電機
・大辻炭坑ホッパー
、、、またこんな時に限ってみんな気合い入れて来るんですよね、、、今回の参加者は弦書房の編集と併せて12人でした。
主役がいないときに物語は進む、ではありませんが、こういったときに限っていろいろと質問が出てきます。
・用語集といったものを別途設けるべきでは?
・どのような順番で書きつづればよいのか、現在の状態では漠然としすぎている。
・文末に名前を入れる形にするのか、それとも一人の人間が書いたかのような文体で整えるのか?
それは一度言ったでしょ? とか、では弦書房の方お願いしますとか(これを初めてあった人に言うのは、辛いです)。
原稿執筆の中で、これだけは大事に記述をお願いしたい、と考えているのは以下の3点です。
1.対象物件の造られた背景
2.現状、それに至る過程
3.対象物件の特長
一度言ったのに、守られていない方の多いこと、、、。
いま、この本の「他地域続編」を依頼されているわけですけれども、正直、不安以外の何者も見えてきません、、、。この時も、ある意味陰惨たる状況でした、、。既に輪転機が回っている今だから、語れますが。
私が韓国(何度もも言いますが、学会です、、、遊んでません)で四苦八苦している間、本の最終稿は遂に弦書房の編集の手に渡り、遂に、遂に輪転機が回ることになりました!
思えば長い道のりでした。一年半近くかかってしまいましたが、その分私的には充実した成果物が世に出せると期待しています。
ここでおさらい。
本の販売価格ですが、二転三転したあげく、
2200円+税になっています。
つまり、店頭での販売価格は2310円です。
一般の感覚ではちょっとお高めですが、カラーが160頁ありますから、勘弁してやってください!
それからインターネット購入、及び予約用のISBNナンバーはこちら。
ISBN4-902116-71-5 C0026
んー、まだオンラインでは注文できませんね(出版社からは予約可能です)。
それから新情報。11月16~17に行われる産業観光フォーラム北九州(北九州国際会議場にて開催!)にてどこよりも早く(?)会場販売されます!!
出版物が上がる=私の手元に届くが13日以降ですので、如何に素早い作業かがおわかりになるかと思います。
北九州近郊にお住まいの皆さん、16、17日は国際会議場に足をお運びください、そして買ってやってくださいな。
思えば長い道のりでした。一年半近くかかってしまいましたが、その分私的には充実した成果物が世に出せると期待しています。
ここでおさらい。
本の販売価格ですが、二転三転したあげく、
2200円+税になっています。
つまり、店頭での販売価格は2310円です。
一般の感覚ではちょっとお高めですが、カラーが160頁ありますから、勘弁してやってください!
それからインターネット購入、及び予約用のISBNナンバーはこちら。
ISBN4-902116-71-5 C0026
んー、まだオンラインでは注文できませんね(出版社からは予約可能です)。
それから新情報。11月16~17に行われる産業観光フォーラム北九州(北九州国際会議場にて開催!)にてどこよりも早く(?)会場販売されます!!
出版物が上がる=私の手元に届くが13日以降ですので、如何に素早い作業かがおわかりになるかと思います。
北九州近郊にお住まいの皆さん、16、17日は国際会議場に足をお運びください、そして買ってやってくださいな。
本の中では「河内貯水池」として一括紹介されています。その中でも一番の迫力そして美観を兼ね備えているのが、この堰堤でしょう。
建造時は日本最大のダムとして建設されたものの、ご覧の通りコンクリート石張の造りが丁寧すぎたのか、あるいは会計検査院から「贅沢」と非公式にいわれた事が原因か(笑)。竣工時には他のダムに追い抜かれてしまいました。
詳しくは本の中で述べられていますが、この堰堤周辺は地域の憩いの場となるようにとの意図のもと、外観に細心の注意を払って丁寧に公園化が図られています。
亜字池の曝気装置は噴水として利用され(これは現在稼働していません、、)、堰堤をはじめとする施設群は地元の石材で飾られています。
現在でもこれら資源は、「河内五橋」を初めとして多くがこの地に保存されています。
この写真はうっかり逆光で撮ってしまった失敗作ですが、本の中では菅さんの新日鐵関連コレクションの中から珠玉の作品をご覧になれると思います。まあ、ここの写真くらいは絵になるので、見てやってくださいな。
建造時は日本最大のダムとして建設されたものの、ご覧の通りコンクリート石張の造りが丁寧すぎたのか、あるいは会計検査院から「贅沢」と非公式にいわれた事が原因か(笑)。竣工時には他のダムに追い抜かれてしまいました。
詳しくは本の中で述べられていますが、この堰堤周辺は地域の憩いの場となるようにとの意図のもと、外観に細心の注意を払って丁寧に公園化が図られています。
亜字池の曝気装置は噴水として利用され(これは現在稼働していません、、)、堰堤をはじめとする施設群は地元の石材で飾られています。
現在でもこれら資源は、「河内五橋」を初めとして多くがこの地に保存されています。
この写真はうっかり逆光で撮ってしまった失敗作ですが、本の中では菅さんの新日鐵関連コレクションの中から珠玉の作品をご覧になれると思います。まあ、ここの写真くらいは絵になるので、見てやってくださいな。
今回の話が学会上で一番揉めるところではありますが、一応触れておかないとそれはそれで問題でしょうから、一応私の見解を述べておきます。
今回の本のタイトルが、「北九州遺産」でも、「北九州の産業遺産」でもなくこのタイトルになったのには、いくつか理由があります。
まずは地域近代史の要諦を押さえたいという意志。
今回の執筆者、とりわけ編集代表の清水先生は地域近代史研究の第一人者です。先生はじめ、執筆者には産業考古学会所属の研究者が多いこと、また「近代」のもつ歴史の多様性に感慨とこだわりを持っている方々がこれまた(私含め)特に多い事が、このタイトルを選んだと言えます。
また、これは私の印象ですが、「産業遺産」というタイトルにしてしまうと、どうしても第二次産業に特化した内容と思われてしまう事を忌避したいと思ったからです。余暇施設でも金融機関でも、地域の産業を育み、近代の荒波を乗り越えた貴重な遺産です。これらを入れないことは考えられません。北九州のような重化学工業の発達した地域でもそれは当然のことと言えます。
最後にこの本が持つ、堅さと柔らかさを両面象徴していると思ったからです。
この本は、いわゆる専門書とはいえません。どちらかと言えば地域史入門書に近いと思います。ただし、専門家が読んでも問題ないレベルには仕上げてあります。「近代化遺産」という用語には、権威めいたものはまだ無く、だからといって観光ガイドのような軽さもありません。うん、これはちょうど良いなと思う次第です。
このタイトルに到るまで、実はいくつか候補はあったのですけど、、、これはまた次の機会に。
今回の本のタイトルが、「北九州遺産」でも、「北九州の産業遺産」でもなくこのタイトルになったのには、いくつか理由があります。
まずは地域近代史の要諦を押さえたいという意志。
今回の執筆者、とりわけ編集代表の清水先生は地域近代史研究の第一人者です。先生はじめ、執筆者には産業考古学会所属の研究者が多いこと、また「近代」のもつ歴史の多様性に感慨とこだわりを持っている方々がこれまた(私含め)特に多い事が、このタイトルを選んだと言えます。
また、これは私の印象ですが、「産業遺産」というタイトルにしてしまうと、どうしても第二次産業に特化した内容と思われてしまう事を忌避したいと思ったからです。余暇施設でも金融機関でも、地域の産業を育み、近代の荒波を乗り越えた貴重な遺産です。これらを入れないことは考えられません。北九州のような重化学工業の発達した地域でもそれは当然のことと言えます。
最後にこの本が持つ、堅さと柔らかさを両面象徴していると思ったからです。
この本は、いわゆる専門書とはいえません。どちらかと言えば地域史入門書に近いと思います。ただし、専門家が読んでも問題ないレベルには仕上げてあります。「近代化遺産」という用語には、権威めいたものはまだ無く、だからといって観光ガイドのような軽さもありません。うん、これはちょうど良いなと思う次第です。
このタイトルに到るまで、実はいくつか候補はあったのですけど、、、これはまた次の機会に。