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プロフィール
HN:
庵田
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男性
職業:
無給NPO理事
趣味:
都市散策、調査研究、写真撮影、マンガ熟読
自己紹介:
高学歴ワーキングプア。生活の糧をどうすべきか毎日模索中。
共著でいくら本を増やしても、それは研究者としての実績にならないそうです。数年前から同じ事言ってますが、雇ってくれるところをただ探すのみです、はい。
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『北九州の近代化遺産』&『福岡の近代化遺産』編纂事務局がお贈りする、出版散々回顧録・出版社非公認ブログです。とりあえず、今後の出版企画情報を逐次報告します。
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出版直後にお世話になった方々へ献本するため、ばんばん郵送していると、本の値段なんてあってないようなものだな、と訳の分からない感慨にふけることがあります。
実際のところ、日本において本の値段は大学生協のような特殊事例を除き、どこにいても同じ値段です。ただ、これは一般書店に流通する刊行物に限定するもので、それ以外、まあ、たとえば同人誌即売会のようなところへいけば、「売っている人が1000円と言えば、100円の品物でも1000円になる」という定価消滅空間が現出します。
これは古本においても同じです。それが今年発行された書籍であっても、「非売品」と書かれてしまうとどんな値段にでもなります。昨今の近代化遺産ブームは、一方では歓迎すべきものなのですが、非売品の報告書市場を大幅に狂わせる結果となり(または市場にものが供給されない、飢餓状態(困笑))、私のような拠り所のないペーペー研究者にはつらい状態となっています。かつては4000円程度で購入できた『秋田県の近代化遺産』が、15000円、ってのは、少々おかしいんじゃないか、と思わざるを得ません。が、やはりここでも本の価格はあってないようなものなのでしょう。売るという人がいなければ、ものはいつまでも手に入りません。
これは情報収集力の違いというべきなのでしょうか、一つ衝撃的な例を申し上げますと、先日あのam○z○nで『福岡の近代化遺産』が、何故か古本で売られているのを発見したのです。
その価格、6430円。
いや、それは、あまりにもおかしいでしょう!
こんな恐ろしい値段がまかり通っているのは、やはり本家のa○a○on様がいつまでも新刊を扱おうとしないからに他なりません。国内組はおおむね取り扱ってくれているのに、何でしょうね、この扱い。
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houshuyama-mine-s.JPG炭鉱といいましても、石炭を運び出す坑口は複数あることが通常のスタイルです。
炭鉱会社が持つ炭鉱(場所)はいくつかあるとして、その炭鉱内には穴の入り口が複数あり、それぞれを指す場合には「炭坑」あるいは「坑」という単語を用います。
それでこちらの坑口の話。この坑口は「宝珠山炭鉱」という会社が持っていた第一坑~第三坑の穴のうち、第一坑として使用されていたものです。その名称が示すとおり、もっとも古い時期に開削されたもので、穴の上部には「宝珠山炭砿」と漢字と英文で併記されています。
宝珠山炭鉱は伊藤伝右衛門が経営していた炭鉱であったことから、近年の「白蓮ブーム」にあやかる形で多くの来客を迎えています。(宝珠山炭鉱倶楽部記事参照) これに併せてこの坑口周辺も公園整備されました。
整備されました、、、が、現在は坑口を近くで見せるためなのか、側壁に立派すぎるコンクリートの覆いがかぶせられ、往時の炭坑設備がもつ歴史の重みといった風情が台無しになってしまっています。整備して多くの方を迎えたい、という気持ちは分かるのですが、どうにかならなかったものか、と悔やまれてなりません。
sankirou2-s.JPG私、個人的には近代和風建築といったものにあまり食指が向かない質でした。
それはなぜかと言いますと、和風建築というものは素材の良さ、具体的に言えば木材そのものの質にどれだけ気を配るかといったところに建物の贅沢さが表れているところがあり、よくよく見つめることでようやく違いが分かる、、、ような気がするという非常に素人受けしない、正直言えば見分けが難しい建物で、建築分野に入ったばかりの私には、この建物の調査がNPOで始まった時、まあ、気が重かったと言うほかなかった状況でした(今でもどちらかといえば、機械遺産の方がおもしろさを覚えていたりします)。しかし、さすがは料亭建築。この建物はおもしろさ、いわば棟梁の遊び心が随所に現れています。
たとえば写真にあるこの意匠。一階正面玄関横の壁に施された下地窓意匠は、なかなか面白いものです。正面玄関から松、階段の途中に山と雲、登り切ると月の意匠があります。これらは、地上(世間)から天上(料亭)に至るというデザインモチーフで、ただ凝った意匠という以上のストーリーを作りだしています。このほかにも、欄間や書院、床の間などに用いられた意匠と和風建築の「お約束」、または当時の世相などを考えると、建物を見るときのおもしろさがますます増えていくものです。
この建物は、私が建築端にどっぷり浸かることになって記念碑的(建物にとっては迷惑な話でしょうが)な施設といえるでしょう。これからも建物保存に尽力していきたいと思います。
sankirou-s.JPGこの名前だと、全国区の方々には何のことだか分からないかと思いますが、門司港にある料亭として建てられた豪壮な木造三階建建築です。傾斜地に建てられているため、実際の上屋以上にスケール感を覚える、非常に象徴的に作られた作品で、地域住民による募金活動や一般公開を経て現在保存のため建物の買い取りまでが完了しております。
これで落着めでたしめでたし、となれば良かったのですが、肝心の建物の改修がなかなか始まらず、またそうこうしているうちに隣地では14階建てのマンション建設が計画されています。

、、、こういう計画を見るにつけ思うのですが、「新しい住民が増えて町が活性化する」とか、「周辺道路も整備されて住民にもプラスになる」という良い面が強調されるばかりで、「実は移住してくるのは、奥地に住んでいたお年寄りが多く、結果的に人口は変わらない」ことや、「道路整備とともに交通量が増えて歩行者には返って不便なところになる」なんていう側面は、やもすれば住民サイドからもほったらかしになってしまうのは、なぜでしょうか?
やはり開発=活性化という図式が観光地化している門司港でも結びつく、と思っているんでしょうね、、、マンションよりも、人口増につながる若手の働き口を作ることの方が大事であり、門司港の場合の「それ」は、観光客のリピータを呼び込むための仕掛け作りだと思うのですが。
これ以上の開発は、図面とともに地域にとって良いものかどうか周辺住民で判断できるような、そんな関門地域で会っててこれることを改めて期待します。
期待、、、できればいいのですが。門司港の近代建築に関しては、砂をかむようなニュースが続きます。
miyake-s.JPG出版企画を考える際、慣れてくるとどこかで「遊び」の部分がほしくなります。今回では、なんだかんだと考えながらも忙しさが優先してしまい、結論として実行したまじめな遊びは「水道路通り」看板くらいでしょうか。とりあえず、見た人が「これは、やったな」とニヤリとしていただければ、こちらの思惑は成功しています。が、おおむねそういった試みは伝わらないことの方が多いのですが。
それでこちらの建物。建物自体も大正期の擬洋風建築で、近代和風のたたずまいながら縦長の窓を採用した、不思議な作りとなっているところも特徴ですが、何よりも「博多うどん」の代表的な店舗の一つであることが、私が取り上げたかった理由になっています。
福岡県西方沖地震で大きく被害を受けたものの同一店舗を改修し営業再開。独特の、太く腰のない、だしで食べさせるという博多うどんの特徴をこれでもかと感じさせる、おもしろいうどん屋なのですが、いかんせん福岡市博多区で取り上げるべき遺産が多かったため、一応予備校補の一つに挙げていたものの掲載までには至りませんでした。
この「食べ物文化」を取り上げる方針は、『筑豊の近代化遺産』で生かされる結果に、、、なるかもしれません。結果は出版後のお楽しみ、ということで。
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