『北九州の近代化遺産』&『福岡の近代化遺産』編纂事務局がお贈りする、出版散々回顧録・出版社非公認ブログです。とりあえず、今後の出版企画情報を逐次報告します。
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2005年6月頃、清水先生宅で打合せをしました。
「まずこれだけは載せたいリスト」を作るためです。
それ以前に私の方で掲載したい予備候補を選定したときのこと。
門司区エリア内では以下のような順番で候補を出していきました。
・門司港駅
・NTT門司営業所
・大阪商船
・門司税関と並び、次にリストで上がったのが
「明治屋」です。
ジャムの明治屋とか、高級洋物の店という印象で語られますが、この建物は北九州の近代化を語る上では不可欠の施設でした。
西洋から移入されたものは建築や土木という表面上の技術だけでなく、服装、美術、行政体系や用語に到るまで様々な分野でそれまでの中世日本人の生活に大きな影響を与えましたが、食文化はその最たるものでした。
例えば首都圏であれば、横浜あたりの外国人居住地から洋物を手に入れることが出来ます。そこでの生活を基本としているお雇い外国人が製鉄所開設当時の北九州にやってきました。さて、洋服は、洋食はどこで手に入れられるのでしょうか?
ここでのニーズを賄うために、わざわざ進出せざるを得なかったもの、それが明治屋だったのです。これがあると無いとでは、都市の格が違うのです!
建物は総煉瓦造の2階建、ファサードは戦災で被害を受けたため、モルタルで塗り固められてしまいました。ここで見映えが悪くなったことが解体の原因だったのでは、と言われています。
掲載できなかったことが一番残念な建物です。これがあると無いとでは、物語の幅が違うのです。しつこいようですが、とにかく残念です。
「まずこれだけは載せたいリスト」を作るためです。
それ以前に私の方で掲載したい予備候補を選定したときのこと。
門司区エリア内では以下のような順番で候補を出していきました。
・門司港駅
・NTT門司営業所
・大阪商船
・門司税関と並び、次にリストで上がったのが
「明治屋」です。
ジャムの明治屋とか、高級洋物の店という印象で語られますが、この建物は北九州の近代化を語る上では不可欠の施設でした。
西洋から移入されたものは建築や土木という表面上の技術だけでなく、服装、美術、行政体系や用語に到るまで様々な分野でそれまでの中世日本人の生活に大きな影響を与えましたが、食文化はその最たるものでした。
例えば首都圏であれば、横浜あたりの外国人居住地から洋物を手に入れることが出来ます。そこでの生活を基本としているお雇い外国人が製鉄所開設当時の北九州にやってきました。さて、洋服は、洋食はどこで手に入れられるのでしょうか?
ここでのニーズを賄うために、わざわざ進出せざるを得なかったもの、それが明治屋だったのです。これがあると無いとでは、都市の格が違うのです!
建物は総煉瓦造の2階建、ファサードは戦災で被害を受けたため、モルタルで塗り固められてしまいました。ここで見映えが悪くなったことが解体の原因だったのでは、と言われています。
掲載できなかったことが一番残念な建物です。これがあると無いとでは、物語の幅が違うのです。しつこいようですが、とにかく残念です。
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掲載物件の紹介を始めましたので、編纂委員会→研究会に到った部分について紹介いたします。
今回の出版企画で、鉄道・鉱工業・軍事・経済・都市計画・建築・機械技術などの専門家が集まり意見を交わして、一冊の成果を得ることが出来たことに満足した事務局サイドが「この関わりをもっと発展させたい」と思った所が一番の原因です。ただの出版企画だけの繋がりではもったいない、と。簡単に言えばそういうことです。
私の中では、この集まりにはもっと大きな可能性があると考えています。
従来、まちづくりや地域史を調べている方々は次の分類に属されます。
常々、私はこの現状を「もったいない」と感じていました。そこで今回の出版企画。執筆担当には郷土史系の方もいれば学会でバリバリ研究をやっている人(多分私含む)、企業内で研究を地道にやっている人など多士済々です。
こういった方々がお互いの持ち情報を集結させることで、今まで分からなかった部分がくっきりと輪郭を持つ様になったのです(そういう意味で、今回の出版企画に行政の方が一人もいなかったことは残念でした)。また学会内でも土木・建築・機械・経済・社会学がそれぞれにそっぽを向いていた現状に風穴を開けられたのかな、とも思います。
今後研究会を進めることで、さらなる交流と情報の共有が進み、本で紹介した郷土という名の甘えを持たない、地域の歴史がようやくまちづくりへ本格活用できるものと信じています。すべてはここから、です。
今回の出版企画で、鉄道・鉱工業・軍事・経済・都市計画・建築・機械技術などの専門家が集まり意見を交わして、一冊の成果を得ることが出来たことに満足した事務局サイドが「この関わりをもっと発展させたい」と思った所が一番の原因です。ただの出版企画だけの繋がりではもったいない、と。簡単に言えばそういうことです。
私の中では、この集まりにはもっと大きな可能性があると考えています。
従来、まちづくりや地域史を調べている方々は次の分類に属されます。
- 郷土史研究者
- 学会所属研究者(主に大学系)
- 企業社史担当
- 行政文化財関係&都市セクション関係
- シンクタンクや研究所(行政系だったり、企業系だったり)
常々、私はこの現状を「もったいない」と感じていました。そこで今回の出版企画。執筆担当には郷土史系の方もいれば学会でバリバリ研究をやっている人(多分私含む)、企業内で研究を地道にやっている人など多士済々です。
こういった方々がお互いの持ち情報を集結させることで、今まで分からなかった部分がくっきりと輪郭を持つ様になったのです(そういう意味で、今回の出版企画に行政の方が一人もいなかったことは残念でした)。また学会内でも土木・建築・機械・経済・社会学がそれぞれにそっぽを向いていた現状に風穴を開けられたのかな、とも思います。
今後研究会を進めることで、さらなる交流と情報の共有が進み、本で紹介した郷土という名の甘えを持たない、地域の歴史がようやくまちづくりへ本格活用できるものと信じています。すべてはここから、です。